さて本日は、、、
今更と思われるかも知れませんが、スクレーパーについてお話しさせて頂きたいと思います。


一口にスクレーパーと言っても、ステッカーなどを除去するのに適したスクレーパーや、紙製のガスケットなどを除去するのに適したスクレーパー、液体ガスケットなどに適したスクレーパーなどが自動車関連では代表的なスクレーパーではないでしょうか。
今回はいくつかの種類のスクレーパーを用意し、同条件でテストしてみたいと思います。

まずはこちらのアイテムですが、先端がカミソリの刃の様に鋭利な刃が設けられたスクレーパーです。一般的にはステッカースクレーパーと呼ばれており、車のフロントウインドウ内側の定期点検&車検のステッカーを除去するのに多く用いられます。刃が非常に鋭利ですがカミソリの様に薄い為、ガラス面に食い込み難く、傷を付けずに綺麗にステッカーを除去する事が出来ます。

こちらのアイテムは、最も一般的と言っても過言ではないガスケットを除去する際に用いられるステンレス刃のスクレーパーです。先程のステッカースクレーパーと比較して、刃が厚めとなっているので、紙製またはシリコンガスケットなどの除去に用いられています。
刃が丸まっってきた場合には、砥石等で研ぐ事も出来ます。

続いてこちらのスクレーパーですが、恐らく日本メーカー(KTC)だけでしか製品化されていないのではないかと思っていますが、先端刃のチップ部分にセラミックを採用したセラミックスクレーパーです。
現在となっては、ハサミや包丁、フライパンやヒーターなど、生活用品に多数用いられている素材となっていますが、セラミックにも様々な種類があり、このKTCのスクレーパーに採用されている素材はガスケットを除去するという目的が考慮された、ダイヤモンドの次に硬いと言われるジルコニア系のセラミックチップが使用されています。更に、刃がかなり鈍角となっているので、アルミ等の柔らかい素材に刃が食い込み難いといった特徴も併せ持っています。
余談ですが、セラミック刃が非常に硬いので、高い位置からコンクリート等の地面に落下させると刃が割れてしまいまうので注意が必要です。尚、刃の部分がヘックスネジで止まっていますが、刃が交換可能となっている訳ではなく、手前のステンレス軸にセラミック刃をしっかり固定する為の最善の方法がネジ止めなのだそうです。

さてこちらのスクレーパーですが、このスクレーパーもKTCから紹介されているガスケットスクレーパーです!セラミックスクレーパーの登場によってやや影に隠れてしまい(?)若干存在感が薄くなってしまっているのですが、こちらもとても硬い素材のチップが採用されている超硬スクレーパーです。セラミックスクレーパーが登場する以前は、ユーザー様には非常に高い評価を得ていたスクレーパーです。
このスクレーパーの特徴は、超硬刃が採用されている事の他、刃先が90°となっている事が他のスクレーパーと異なります。このスクレーパーを私が初めて見た時に、メーカーの製造ミスで刃が付いていないのでは?と思ったのを覚えています。。

それでは、早速テストを行ってみます!
今回テスト用として用意したのは、アクリル板に文字が塗装されたクリアーケースです。この塗装部分をスクレーパーで除去してみます。
下地はアルミよりも柔らかいプラスチックの上、塗装部分はガスケットよりも薄いので、スクレーパーの特徴の違いがはっきりと表れると思います。

まずはステッカースクレーパーからテストしてみました。
写真では少々分かり辛いのですが、刃が鋭利なので、塗装面に鋭く入っていくのですが、その鋭さ故にアクリル部分にも刃が入ってしまい、アクリル表面もろとも除去した様な感じでした。

次にステンレススクレーパーをテストしてみます。
先程のステッカースクレーパーと同様、角度によってはアクリル面に入ってしまう為、かなり寝かせて除去しました。先程のステッカースクレーパーと比較して、作業自体は楽に行えました。
只、塗装を除去した部分のアクリルはそれなりにキズが入ってしまいました。

次はセラミックスクレーパーで試してみます。
こちらも鈍角とは言え、使用する角度によってはアクリルに食い込んでしまうので、こちらも刃を寝かせました。

先程のステンレススクレーパーとは全く異なる使用感です!
塗装がまるでカンナで削った様に丸まっているのがお分かり頂けると思います。
若干アクリル面にキズが入りましたが、気になるレベルではなく、あまりにも切れ味が気持ち良いので、むしろこのスクレーパーを使って作業するのが楽しくなりそうな印象を受けました!

さて最後にテストするのがこの超硬スクレーパーです!
刃先が90°となっているので、上手く塗装を除去出来るのかがやや不安が残ります。

テスト前の個人的な予想では、セラミックスクレーパーが最も作業し易いだろうと思っていたのですが、意外な伏兵が隠れていました!この超硬スクレーパー、刃が付いていないのにも関わらず、綺麗かつしっかりと薄い塗装を除去してくれます!しかも下地がアクリルという柔らかい素材にも関わらず、多少力を入れ過ぎても素材に食い込む感は殆どなく、下地を傷つけずに表面にある異物のみを取り除くといった印象です!!

左画像の右側のやや筋が見える部分がセラミックスクレーパーで除去した箇所ですが、除去した塗装クズの形状とアクリル部分の状態が全く異なるのがお分かり頂けると思います。あまりにも綺麗に除去出来るので、左画像を撮影した後もついつい塗装剥がしを行ってしまいました!
因みにこの超硬スクレーパー(この硬度を持ち、刃角度が90°のスクレーパー)も日本でしか製品化されていないと思います。
除去する素材にもよると思いますが、セラミック&超硬スクレーパーは是非機会があれば使用してみて頂きたいスクレーパーの一つです!!
尚、板橋本店&江戸川店に今回ブログでご紹介したアクリルケースを用意致しましたので、ご来店頂いた際に試してみて頂く事が可能です!その際はスタッフまで一声お掛け下さい!!

本日も最後まで御覧頂きまして、本当に有難う御座います。