先日、お客様より特殊ネジに関してご質問を頂きました!
お問い合わせを頂いたネジの形状は、近年のJeepで使われているというコチラのネジでした!


一見変形したプラスのボルトの様にも思えるのですが、よく見ると明らかに形状が違います。
比較参考までにプラス形状とポジドライブ形状(画像右)をアップにしてみましたが、今までになかった形状です。

この独特の形状をしたドライブの名前は「Mortorq(モートルク)」と言います。
2002年にPhillips Screw Companyによって米国で商標登録されたドライブ規格です!
Mortorqドライブは、PhillipsScrew社が米国空軍との契約のもとに開発された新しいドライブ形状で、締め/緩め作業を行う事に対し非常に優れた効率とコスト削減を考慮した結果の形状なのだそうです!


この表はビス(ボルト)を製作しているメーカーが、自社の製品で比較した結果を記載しているのですが、特に興味深いのはデータ表の最下段とその上のところです。
締め側(SURFACE AREA IN CONTACT WITH DRIVE WALL)とその下に緩め側接触面積が記されていますが、ヘックスやトルクスプラスと比較して非常に大きな値となっています。
更に面白いのが、締める時よりも緩める時の方がより大きな接触面積を有している事です!!
既存のドライブ形状でMortorqほど回す方向によって接触面積が変化する規格は無かったと思われます!

さらにMortorqのもう一つのメリットとしてコスト削減が有りましたが、これは接触面を従来のドライブ規格よりも増やした事で、上の画像の様にビスまたはボルトの上部(頭)を薄くする事が出来るという事でした。
薄くする事により、使用する母材の厚さも薄くする事が可能となる為、結果としてビス(ボルト)&母材の材料減が実現し、コスト削減に繋がります。
まだ、米国で製造された製品にしか採用されていない様に感じられる部分がありますが、今後、他国メーカーでも採用される可能性を持つドライブ規格ではないかと想像しています。


この様な理由もあり、W.I.T.でも通常ラインナップ製品として加える事になりました!
こちらが先日入荷した「VIMTOOLS Mortorqセット」です!!
全6pcのセットとなり、差込角は3/8(9.5mm)dr、全長は50mmとなります。

左側の画像には、トルクス、プラス、トリプルスクエア、ヘックスが写っていますが、右のMortorqは全く形状が異なっている事がお分かり頂けると思います。

ヘッド部分の大きさが似ているトルクスと比較してみましたが、一角がMortorqとトルクスでは大きく異なっています。
VIMTOOLSのセットに含まれるのは、00番~4番となりますが、Mortorq自体の設定としては000番~8番まで設定があります。
因みに、VIMTOOLSのセットに含まれる番手の先端部の大きさを測ってみました。(角と角の頂点間)
00番-約3mm
0番-約4mm
1番-約6mm
2番-約7.5mm
3番-約8.5mm
4番-約10.5mm

車関係では、まだまだ使用されている車種が少ない規格ですが、もし使用されている箇所を見つけた場合には、上記の計測サイズを参考にしてみて下さい!!

本日も最後まで御覧頂きまして、本当に有難う御座います。