こんにちは! ワールドインポートツールズ 桑山です。

先日常連様より、「トルク管理」にかんしてのお問合せがありました。

よって、今日はトルク管理を、私なりの解釈でご紹介したいと思います。

まず、「トルク」とは・・

上図のように、L の長さのレンチでFの力をかけた時にボルトに与えられる回転力 T の事。
例として、仮に 1mの長さのレンチに100N(約10kgf)の力をかけた時のトルクは100N・m(約10kgf・m)となります。

トルクの単位として以前は、 kgf・m(キログラムメートル) が用いられていましたが、現在は「新計量法」に基づき、トルクの単位にはN・m(ニュートンメートル)が使わます。

正確には、1kgf・m=9.8067N・m ですが、実際の作業では、1kgf・m≒10N・m
又は、 1N・m≒0.1kgf・m と考えて問題かと思います。

整備書の指定トルク値が、5kgf・m と記載されていた場合、50Nmを測定可能な トルクレンチを用意すれば良いのです。

さて、締めたボルトが簡単に緩まないのは、ナゼでしょう?

締結後、伸ばされたボルトは、「元に戻ろう」とする力が働きますが、締め付けている対象物(部品等)を圧縮し、対象物とボルトの座面(対象物と触れる部分)の摩擦によって固定されているのです。

金属にも、弾性があり、それを利用したのが、”バネ”ですね。

しかし、バネもある程度の力には対応できますが、限界を超えて引っ張りきると伸びてしまい、元に戻れない状態が想像できるかと思います。

金属が「元に戻れる」「元に戻れない」の境目を”降伏点”と呼び、超えてしまった際にはバネ力を失い締結力が薄れ、結果緩んでしまうのです。

見た目は、締まっているようでも、後に緩んでしまう原因の一つです。

金属も「疲労」します。

繰り返し”力”を加える事で、疲労が溜まりますが、疲労が溜まってくると「亀裂」や最悪「破断」につながります。

特にアルミなどの非鉄金属は、金属疲労に対して弱く、締め付けられた物(部品等)の雌ネジ側を損傷する可能性が高い事が知られています。(例、アルミ製オイルドレンパンなど)

締め過ぎとは逆に、ボルトの締結力(締め付ける力)が弱いと、振動や熱による伸縮などが影響しバランスが崩れ、ボルトが緩む事もあります。

以上の事から・・・
締め付け力が強過ぎると、ボルトが元に戻る力を失い、固定されません!!

近年、品質向上、軽量化、低燃費化、コストダウンなど、様々な理由の元、鉄に替わり、様々な材質が使用されています。
ボルト・ナットは使わず、部品に直接雌ネジを切ってある部品も多く対象物の材質によっては、適正トルクが変化致します。

勘に頼ったトルク管理では無く、正しいトルク管理を理解し実践していく事が大切です。

特に作業に不慣れな方は、細かいボルトやネジほどオーバートルクになり易く大型のボルトは、トルク不足になりがちです。

そこで、トルク管理のアイテムとして、「トルクレンチ」「トルクドライバー」を正しく使用しトルク管理を行うのです。

お恥ずかしながら、この様に提唱している私も、失敗談があり、ドレンボルトのメネジを壊し修理した想い出があります。

私の様な苦い経験をして欲しく無い気持ちから、普段よりトルク管理の徹底をお奨めしています。

実際に、トルク管理する際、「始めてのトルクレンチ選び」は、どれを選択して良いか分かりにくいかと思います。

当店では、メーカーの公証値や他人の評価に惑わされる事無く、実際目の前で、トルクレンチテスターによる精度や使用感など、確認しながらのトルクレンチ選択は購入時の不安感を払拭できるかと存じます。

「始めてのトルクレンチ」又は、正しい「トルク管理」に迷った際は、お気軽にご相談下さい!

参考になれば幸甚です。

 

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