メタルリムーバー、金属製内張り外し4社を比較してみた!

隙間にスッと入り込み、しっかりこじれる金属製の内張り外しメタルリムーバー(メタルプライ)。流行り工具から、すっかり定番工具となり、作業時にはなくてはならない存在となりました。
 


 

Blue-Pointのメタルリムーバーが有名だと思いますが、現在は複数社から発売されています。大きさ、重さ、形、薄さなどに違いがあったりなかったりするので、WITで取り扱っているメタルリムーバー4種のスペックを比較してみました。

今回はスペックのみにはなりますが、「どのメタルリムーバーを買えば良いの?」と迷われている方、ぜひ購入時の参考にしてみてください。

 

比較するメタルリムーバーはこの4種

今回比較したのは、以下の4種になります。
 

Blue-Point(SNAP-ON) メタルリムーバー
CUSTOR メタルスキンウェッジツール
WIT(SMT) メタルトリムリムーバー
LISLE ダブルエンドメタルリムーバー

*最下部に記事追加しました。CUSTOR トリムリムーバー&クリップリフターセット ST-22094

 

それぞれの長さ、重さは以下の通り。
(*重さは個体差があるため、目安程度で考えてください。)

  • Blue-Point、全長177mm、112g
  • CUSTOR、全長178mm、124g
  • WIT、210mm、119g
  • LISLE、200mm、110g
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    (*上から、Blue-Point、CUSTOR、WIT(SMT)、LISLE)
     

    Blue-PointとCUSTORは、一緒と言って良いくらいの長さ。WITとLISLEは、両方使えるようになっているので、必然的に長くなっていますが、WITの方が少し長めです。

    通常の使用であれば、この程度の長さの違いで困ることはありませんが、狭い所の作業となると、1㎝でも、5mmでも短い方が良いケースもあります。そう考えると、左右使える利便性をとるのか? 短く小回りの利く片側タイプを選ぶか? 悩みどころかもしれません。

    どのブランドも重さに個体差があります。「このブランドのメタルリムーバーは軽い!」と思っても、他の個体を触ると重いことがあるからです。実際に数本の重量を量ると、どれもプラスマイナス10g程度のバラつきがあります。なので、一概に比較はできません。

    ただ、問題になるようなグラム差ではありません。「コレが一番軽い!」とお伝え出来ないのが残念ですが、メーカー別でこだわるような重量差はないと考えていただいて大丈夫です。
     

    先端形状が用途と使いやすさの鍵?!

    次は先端形状を比較してみましょう。

    Blue-Point、CUSTOR、WIT(アール側)は似ています。他と違う形状なのが、LISLEです。
     


    (*上から、Blue-Point、CUSTOR、WIT)
     


    (*上から、Blue-Point、CUSTOR、WIT)
     


    (*上から、Blue-Point、CUSTOR、WIT)
     


    (*Blue-PointとCUSTORの裏側比較)
     

    Blue-Point、CUSTORは特に似ていて、先端の幅、広がり、厚みの感じまで似ています。WITのアールが付いている側も似てはいますが、グリップ側に進むにつれ、Blue-Pointよりも厚みが出てくるのは早いです。
     


    (*WITアール側とストレート側 上から比較)
     


    (*WITストレート側 横から)
     

    WITのストレート側の形状は、曲がっているか曲がっていないかの違いだけで、アールが付いている側とほぼ違いはないと思います。まっすぐ挿してこじりたいケースに対応できるのは、今回紹介したメタルリムーバーの中では、WITのストレート側だけです。

    LISLEは左右とも独特な感じです。丸いラウンドになっている方は、他社に比べて幅広で先端から厚みもあります。
     


    (*LISLEラウンド側 上から)
     


    (*LISLEラウンド側 横から)
     

    反対側は他社にはない、幅が狭く角ばった形状。
     


    (*LISLE角ばった側 上から)
     


    (*LISLE角ばった側 横から)
     

    狭い隙間に滑り込ませるのは他社製品の方が良さそうですが、厚みがあるのでシッカリこじれそうなのはLISLE。単純に見た目ではありますが、一番丈夫そうです。また、いまさらではありますが、グリップが付いているのはLISLEだけです。
     

    メタルリムーバーは曲がる? 折れる?? 弱い?!

    メタルリムーバーをすでにお使いの方は、曲げてしまったり、折ってしまった経験をお持ちかもしれませんね。内張りなど、樹脂パーツをこじることで破損することはあまりないと思います。ですが、金属製のパーツをこじるなど、無理をさせると意外と簡単に曲がったり折れたりすることがあります。
     


     

    元々、隙間にさして樹脂製のパーツを取り外す工具。金属パーツ相手に無理してこじれば、破損して当然と言えば当然です。

    ただ、この手の工具の使い方は、ある意味自由。作業していてこじる必要性が出てくると、相手が金属でもメタルリムーバーを手にしたくなります。そんなこんなで、破損させてしまうケースも多く、メタルリムーバーの予備をお持ちの方も少なくないです。

    また、破損時の予備としてだけではなく、2本あると作業が楽になるケースもあるので2本お持ちの方もいます。1本目を狭い隙間に滑り込ませ、隙間を広げて行くのにもう1本使う。2本持ちは贅沢ではありますが、作業性アップと破損時に備えることができます。

    まったく同じものを2本揃えておくのも良いですが、別々のブランドのメタルリムーバーを持つのも選択肢としてはありです。ケースバイケースで、使い分けることができますからね。

    用途に合わせて、形状や厚みを考えで選ばれると良いと思います。
     

    いまさら聞けない? メタルリムーバーってナニ?!

    最後に、「メタルリムーバーってなに?」「必要な工具なの?」て、方に、メタルリムーバーの説明を簡単にさせていただきます。

    メタルリムーバーは先端が薄くてやや幅広な、内張り(トリム)をこじって外すタイプの金属製内張り外し(内張りはがし)です。内張りだけではなく、車のルームライト、バイクのカウル、家電の分解などに使える工具です。
     


     

    先端が薄いので、プラスティック同士の合わせ目に滑り込ませ、こじることで合わせてある部分を外すことができます。

    メタルリムーバーが登場するまでは、同じような作業を細いマイナスドライバーや樹脂製のトリムリムーバーで行っていました。ですが、細いマイナスドライバーだと、一点に力が掛かり対象物を傷付けたり、割ってしまうことがあります。また、樹脂製のトリムリムーバーは先端からすぐに厚くなる形状なので、狭い隙間にリムーバー自体を滑り込ませていくのが大変。さらに、硬さが足りず、しなって上手くこじれないこともありました。

    その点、メタルリムーバーは、先端部が薄く硬いので、隙間に入れ込みやすくなっています。幅も広くなっているので、力が一点に集中しないので対象物が割れにくく、樹脂製のトリムリムーバーのようにしならずダイレクトにこじることができるのです。

    スゥ~っと隙間に入り、しなることなくダイレクトにこじれるメタルリムーバー。この使いやすさと実力で、一気に人気に火が付き、気が付けば定番工具の地位を得るまでになりました。

    もしあなたが購入を迷われているのなら、買って後悔のない工具と自信を持ってオススメします。

    ハメ込んであるだけのプラスティック部品を外すとき。狭い隙間に工具を挿してこじりたいとき。持っていて絶対に損をしない工具がメタルリムーバーなのです!
     

    新たなメタルリムーバーも登場!

    CUSTORから、トリムリムーバーとクリップリフターのセット「ST-22094」が発売されました。どちらも、両側が使えるタイプです。
     


     

    トリムリムーバーは、片側がメタルリムーバーと同じような形状で、逆側が幅の広いヘラのような形状をしています。クリップリフターは、樹脂製品で良くあるような形状です。

    個人的に・・・、クリップリフターは微妙ですが、トリムリムーバーの方は使えそうな予感!

    メタルリムーバーと同形状の側はもちろんのこと、幅広のヘラ状の方も登場機会が多いと思います。幅が広いので力が分散し、一点を傷付けてしまうリスクが非常に少なくなります。
     


    (*幅の広い側のサイズ感)
     

    メタルリムーバーで隙間を作り、ヘラ側を滑り込ませこじる!

    これ、幅広のヘラが入る状況であれば、かなり理想的な作業だと思います。もちろん、車のモールなど、幅広だからこそ活躍できる場も容易に想像ができます。

    「何本あっても困らない!」は、ちょっと言い過ぎですが、CUSTORのトリムリムーバーも試して欲しいです。セット販売がちょっと残念 ^^;