定番工具ラチェットハンドル、比較した3/8drのラチェット達を紹介

ラチェットと言えばハンドツールの定番工具。スパナでネジをまわすとき「ねじを回して、かけなおして、また回して・・・。」なんて面倒なことを繰り返します。その点ラチェットハンドルは、一方方向にだけ力が加えられ、まわしたい方向と反対方向の時にはカリカリと空転してネジに力を加えないので、ネジの早回しができる超便利な工具なのです。

 

また、ソケットを変えることで、複数のサイズのネジが回せるのも魅力の工具。ソケットの差込口は1/4、3/8、1/2などがありますが、その中でも3/8のラチェットが主流でしょう。

と言うことで、この記事では各メーカーのスタンダードな3/8ラチェットを比較してみました。各商品の単品画像はいくらでも見れますが、比較画像が見れるのはレアケースだと思うので、「読むのがめんどくせぇ~~っ!」て人は画像だけでも見て行ってください。

 

今回比較した3/8drのラチェットハンドル達

  • STAHLWILLE 80ギアラチェットハンドル 435QRN
  • HAZET 90ギア スタンダードプッシュリリースラチェット 8816HPS
  • NEPROS 90ギアラチェットハンドル NBR390A
  • NEPROS ネプロスneXT ラチェットハンドル NBR390X
  • Ko-ken Z-EAL 72ギア ラチェットハンドル 3725Z
  • MATADOR Z90 90ギア ストラップ穴付ラチェットハンドル

 

後日、以下を追記。

  • SNAP-ON スタンダードラチェット F80
  • SIGNET 60ギア ラチェットハンドル 12564

 

スタンダードなサイズ、ヘッド固定式、プッシュリリース機能付きで選んでいたのですが、一部その基準からはみ出しています。また、画像の商品はマイナーチェンジ等でデザイン等が変更されている場合もありますので、ご購入の際は商品ページでしっかりとご確認ください。

 

サイズ感を比較してみよう!の巻

早速、この記事のメインテーマでもある、サイズ感を比較してみましょう。

 

 

上からの画像ですが、長さが一目瞭然。上半分は海外ブランドのMATADOR、HAZET、STAHLWILLE。下半分が日本のメーカーであるNEPROS2種とKo-kenです。

ここで比較しているラチェットに関しては、日本のメーカーの方が全体的にコンパクトに仕上がっています。単純に、主に使う人達の手のサイズに合わせているのかもしれません。外国の方は体や手が大きな方が多く、それに比べれば日本人は小柄な人が多いですからね。

必ずしもコンパクトなのが良いわけでないのは言うまでもありません。長さが少しでもある方が力は入れやすくなります。ただ、ヘッドがコンパクトであれば、狭い場所での作業はやりやすいです。

と言うことで、次はヘッドの厚みと幅を見てみましょう。

 

ヘッドの厚みと幅

 

ヘッドの厚みだけで言えば、どのラチェットも差がありません。若干海外ブランドのラチェット方が、やや厚く見えますが、気になるほどの差でもないでしょう。

ただ、上から撮影した画像でもわかる通り、ヘッドの幅に関しては日本メーカーのラチェットの方が圧倒的に小さいです。中の構造云々は単純比較できないのと、筆者の知識不足なので割愛しますが、狭い場所の作業性以外にもヘッドのサイズ感には注視して置きたいところです。それは、ヘッドをもって回すことがあるからです。

「ヘッドが小さすぎると回しにくい。」、逆に「ヘッドが大きくてつかみにくい。」なんてケースもあります。手の大きさだけではなく好みの問題になりますが、ハンドルもって回すだけがラチェットではないので、もし実際に手にとって触って購入できる時には、ヘッド部分ももって確認してくださいね。

 

グリップの形状と大きさ

 

持つところの話が出たところで、グリップも見ていきましょう。似ているようで、すべて違う形状のグリップ。肉抜きされて薄い形状のNBR390Xがひときわ目を引きますが、マタドールの武骨な感じも悪くないですね。

グリップは実際に握ってみないとわからないと思いますが、各メーカー握りやすさや使いやすさを求めて製品化していることに間違えはありません。感触や質感は画像だけでは伝わらないですが、形状やサイズ感だけでも参考にしていただければ幸いです。

 

各ラチェットの紹介

ここからは各ラチェットを個別に紹介していきます。簡単にコメントを入れていますが、詳細は商品ページでご確認ください。

 

異物の混入にとても厳しい、航空機や食品分野で絶大な信頼を獲得しているスタビレー。なので、簡単に外れるネジなどの部品がラチェットには使われていません。

カタログデータで、ギア数は80、全長は193mmです。

 

3/8でありながら340Nmの耐荷重を誇るHAZETの8816HPS。HAZETと言うだけで、個人的には所有感が満たされてしまいます。

カタログデータで、ギア数は90、全長は200mmです。

 

ミラー仕上げと全体のぬっぽり感が美しい、NeprosのNBR390A。従来のNBR390よりもヘッドが小さくなり、コンパクトでスレンダーな印象になりました。

カタログデータで、ギア数90、全長は180mmmです。

 

斬新な見た目が次世代「neXT」を印象付けるラチェット。見た目の奇抜さが際立っているので、ついつい色物工具に思えてしまいますが実際は違います。実際に使っている方々の感想だと、ラチェットのバランス感がとても良いのだとか。

握ってみるとその見た目とは裏腹に、指の一本一本がグリップに吸い付くような感覚で絶妙な握り心地の良さがあります。今回紹介しているラチェットの中で、握った感じが一番良い選手権の1位は、このNBR390X。(筆者の個人調べ)

カタログデータで、ギア数は90、全長は180mmです。

 

軽い空転トルクが人気のKo-ken Z-EAL 3725Z。空転トルクが軽いので、ネジとラチェットが一緒に行ったり来たりするイライラ現象が起きにくいです。ギア数は72ですが、それを感じさせない軽快な空転トルクの良さがあります。

カタログデータで、ギア数72、全長は178mmです。

 

複雑な形をしたグリップが魅力的で握りやすいマタドールのラチェット。今回ここで目にするまで、「MATADORっなに?」なんて方もいたとは思いいますが、実はラチェットを世界で初めて作ったメーカーです。なので、ラチェット特集でマタドールを外すことはできません。

STAHLWILLEやHAZET同様ドイツのメーカーなので、デザインがどことなく武骨ですよね? 落下防止用のストラップも取り付けられるので、高所で使われる方も安心です。

カタログデータで、90ギア、全長200mmです。

 

見た目、ブランドが使いやすさを凌駕!?

作業で使う以上、工具はその目的を果たしてくれなければいけません。ラチェットであれば、まわしたい方向にネジが簡単に回せなければいけません。でも、仕事をこなしてくれるのであれば、見た目やブランドなどの好みで選んでも良いことになります。

自分は工具メーカーならHAZETが好きなのですが、3/8のラチェットに関しては20年以上KTCのラチェット BRU20を愛用しています。たまに浮気するのが、数年前?に入手したSnap-onのインダストリアルフィニッシュ GF80。KTCは長年連れ添って使い慣れているから使っているのですが、「Snap-onはスナップオンを使っている。」という満足感だけで手にすることがあります。ちなみに、1/4&1/2のラチェットは、こちらも20年以上前から使っているHAZET一択です。

 


(※キズだらけでガタが来てるKTC&HAZET。逆にあまり使われず、色の変化が微妙なSnap-on。)

 

正直、使いやすさで言えば圧倒的にKTCなのですが、Snap-onを手にしたい気分の時もあります。そんな感じで、使い勝手を凌駕するのが工具の面白いところ。もちろん、工具箱にはあるけど、全く出番のないラチェットもありますよね?? お店で手にすると、ついつい増えていくのが工具。特にラチェットは、カリカリまわしていると不思議と欲しくなってしまいます。

みなさんはラチェットを、何本お持ちですか?
なにを基準に自分のい工具箱に招き入れましたか?
見た目の好み? 好きなブランドだから?

使う使わない、そして入手した理由は置いておいて、手に入れたラチェット達は、ぜひ可愛がってあげてください。

 

Snap-onスタンダードラチェット F80、SIGNET ラチェットハンドル 12564を追加

上記記事を書いているときに在庫がなかった「Snap-on F80」と「SIGNET 12564」を追加で比較しておきます。「Ko-ken Z-EAL 72ギア ラチェットハンドル 3725Z」と比較しておくので、それを基準に他のラチェットとも比較してください。

 

サイズ感、ヘッドの厚み幅など

 

他のラチェットハンドルでも比較した、全長などのサイズ感とヘッドの厚みなどを見てみましょう。

まず長さですが、Snap-on F80も、SIGNET12564も、Ko-ken 3725Zよりは少し長いです。特にSIGNETは、グリップをはじめ全体的にスリムな印象なので、余計に長く見えます。

次にヘッドの幅ですが、見るからにSnap-on F80が大きいですね。幅は少し大きい程度だと思いますが、全体的にヘッドのボリュームがあるのでとても大きく見えます。一方で、SIGNET 12564は全体のフォルム同様に、ヘッドもスマートな印象です。コンパクトなのが正義ではありませんが、ヘッドのコンパクトさではSIGNET 12564が一歩リードと言った感じになります。

 

 

最後にヘッドの厚みを見てみましょう。ここでもSnap-on F80の厚みが気にはなりますが、そこまで厚くはありません。逆にSIGNET 12564がほんの少し薄くも見えますが、これもそんなに薄くないです。なので、ヘッドの厚みだけを考えたら、どれもあまり変わらない感じでしょう。

最後に、Snap-on F80とSIGNET12564を、それぞれ個別で紹介します。

 

メッキ工具と言えば、みなさんスナップオンを思い浮かべるのではないでしょうか? スナップオンからは多数のラチェットが販売されていますが、今回紹介しているのは小判型ヘッドのスタンダードモデル。USAらしい?大き目のヘッドですが、推奨最大トルクは108N・m。

カタログデータで、ギア数80、全長は186mmmです。

 

全体的にスリムな印象のラチェットハンドルですが、今回紹介したラチェットの中でも全長は長いグループに属します。細身のシルエットにコンパクトヘッド、そして何よりコスパ最強のラチェットハンドル。SIGNETはラチェットハンドルだけではなく、ソケットやエクステンションもコスパ最強なので、躊躇せずに仕事で使えるのもうれしいポイント。

カタログデータで、ギア数60、全長は196mmmです。

 

※追加は以上です。

 

並んだラチェットハンドルの画像を見て満たされているアナタ・・・。

 

おめでとうございます♪
工具オタク確定です!